詩は口述の聴き取りによるものです。
ほとんどひらがななのは本人の要望です。
行起こしは聴き取った人の判断によります。
ここに紹介する詩は未発表作品です。

著作権は渡辺雅江さんに帰属します。無断での転載を禁じます。


渡辺 雅江 詩集1

わたしのおともだち
                渡辺雅江
Mくんとちっちゃいころ
よくあそんだ
やきゅうのおはなしをしました
Mくんがゆった
まさえ きょうかつよ
わたしはいいました
ほんとにかつの?
Mくんがいいました
ぜったいかつさ!
テレビでやきゅうをふたりでみた
かった!
Mくんがゆったとおりかったよ
よかった まさえ よかった といいました
Mくんがゆった
おいまさえいっしょにべんきょうしようと
ゆってくれた
わたしはうれしかった
いろんなべんきょうして
ちっちゃいこにおしえてあげようね
わたしはゆった
そうねMくん
ちっちゃいこにおしえようね
Mくんとわたしは
かたいやくそくをした
Mくんはびょうきになってた
わたしはMくんにゆった
なんでよ びょうきになって
あのころをおもいだしてよ ゆったことを
べんきょうをいっしょにやるとゆったのに
ちっちゃいこにおしえてやると
Mくんがゆったのに
びょうきにまけて
わたしはかなしいよ
Mくんかなしいよ

いっかいびょうきなおった
わたしうれしかった
またMくんとあそべる
やきゅうのおはなしまたする
またおはなしした
Mくん
やきゅうはいつからはじめる?
あのころ 
あくつくんとまあぼうとゆきえちゃんとわたしとMくんと
あとがっこうのせんせいとで
やきゅうのチームをつくった
あくつくんがうった
Mくんがとった
わたしはしみずくんとまもった
がっこうのせんせいは
うまいよMくんうまいよとゆってました
はるやすみ
わたしがやきゅうのテレビをみてた
Mくんがわたしのところへきた
まさえみみをかせ
なんだい
まさえのことあいしてます
Mくんやめてよ
はずかしいよ
いいじゃないのとゆった
はずかしいよMくん
わたしがはずかしいとゆって
むこうへいった
Mくんはまたきた
なんでよ くるなよ
はずかしいよ
なんでわたしのところへくるの?
Mくんわたしのことすき?
すきなの?
ぼくはすきなの とゆった
がっこうおわって
MくんがわたしにMくんとおなじバッグを
くれた
わたしがゆった
おいMくん
なんでおなじバッグなの?
Mくんがゆった
だって
おまえのことすきだからかってやったの

またびょうきになっちゃった
Mくんは
あおいかおをしてた
Mくんのおかあちゃんにききました
Mくんだいじょうぶ?
Mくんのおかあちゃんはないていいました
もうだめかもしれない
わたしがきいた
うんとわるいの?
わたしはないた
わたしはよるベッドのなかでなきました
わたしがあさおきたとき
もう
Mくんはいなかった
ふちょうさんにきいた
Mくんどこいった?
ふちょうさんがゆった
あのねまさえちゃん
なかずにきいて
Mくんはとおいほしになっていっちゃった
Mくんは
あのよできっとみてるよ
                       ( 1993.9.7 )
わたしのゆめ
                渡辺 雅江
わたしのゆめは
がっこうのせんせいになりたい
せんせいになるため
べんきょうする
わたしはこどもがすきだから
だからがっこうのせんせいになるんだ
こどもたちを おしえてあげたいなあ
これが わたしのゆめです      
                     ( 1993.9.14 )

わたしのおかあちゃん
                  渡辺 雅江
わたしのおかあちゃんは
いえでしごとしてます
わたしがいえにかえると
しごとしてます
わたしはおもう
わたしがこんなからだにならなかったら
おかあちゃんのおてつだいします
おてつだいして
おかあちゃんをらくにしてあげたいなあ
わたしがくるまのめんきょとって
おかあちゃんのことをのせてあげたいなあ
おかあちゃんのことをのっけて
いろいろかいものしたいなあ
かいものと
どこかへつれていってあげたいなあ
                        (1993.9.18)

わたしのおとうと
               渡辺 雅江
わたしのおとうとは
コックやってます
わたしがかえると
ねえちゃん 
といって
わたしのへやにはいってくる
おとうとがいいます
ねえちゃんよー
わたしは 
なんだよー 
という
おれ ねえちゃんのところで テレビをみていいかい
わたしは 
いいよー という
おとうとがいう
ねえちゃんよー
なんだよー
やきゅうでいいかい
いいよー という
ねえちゃんも やきゅうすきかい? いいます
わたしはいう
すきよ
おとうとがいう
ねえちゃんよー どこのチームがすき?
わたしいう 巨人
へえーほんと? おれも巨人
え ほんとかい
わたしはいいます
おとうとがいう
ほんとおだよ おれとおんなじだなあ
                                                       
おとうとがいいます
ねえちゃんよー ごはんまだ?
まだよ
じゃ おれがやってあげるよ
おれカレーライスつくってあげるよ いいかいねえちゃん?
カレーでいいかい?
わたしはいう カレーでいいよ という
                         (1993.9.24)
あき
              渡辺 雅江
あきのそらは
なつとちがって
とてもあかるい
なつのそらは
なんかくらいかんじ
わたしがまいにちみるたび
そらはちがってみえます
わたしはそらをみるたび
なんかわたしのこころは
うきうきします
わたしはあきのそら
すきです
             (1993.9.25)
あき
                        渡辺 雅江
あきって
なんで こうようするの
わたしがいちにち やまみてると
かわってきます
あか きいろ
ちょっとづつ
かわってきます
だからわたしは
あきって
すきです
              (1993.9.25)
くも
                  渡辺 雅江
わたしは
くもにのりたい
くもにのって
せかいじゅうをみたいなあ
あめりか よーろっぱ いぎりす たい
あと せかいじゅうを ぐるぐるまわってみたいなあ
                                 (1993.10.1)
ふゆ
         渡辺 雅江
ふゆは
わたしはきらいです
さむくって
なんでふゆはこんなにさむいの
あきとちがうなあ
だからわたしは
ふゆは きらいです
               (1993.10.1)
ゆき
        渡辺 雅江
ゆきって
こんなにつめたいの
わたしは ゆきを さわってみた
つめたいなあ
わたしはそとで
ゆきをさわってみた
つめたいなあ
わたしはおもった
ゆきってあつくなると
なんでとけるの
                   (1993.10.1)

わたしの びょういんのおとうと

                   渡辺 雅江
おとうと ゆうぼうは
いつもべんきょうしてる
だけど
ゆうぼうは いまはびょうきです
はやくなおって
いっしょにべんきょうしたり
あそんだり
わたしのおねがい
はやくなおって
あそぼうね
                   (1993.10.4)

わたしのゆめ
               渡辺 雅江
わたしは いっぺん
このあしであるきたい
あるって
おかあちゃんがびょうきになったとき
わたしがおかあちゃんの
めんどうをみたいなあ
おかあちゃんの
ごはんつくってあげたいなあ
これが わたしのゆめです
                   (1993.10.4)

わたしの おとうさん
                  渡辺 雅江
わたしのおとうさんは
わたしがちっちゃいころ
わたしのめんどうをみてくれた
わたしがゆった
おとうさんかってよ おにんぎょう
わかったよ まさえ
まさえよ おとうさんといっしょに おにんぎょうかいにいくかい?
わたしゆった
いくよ
おとうさんがゆった
おんぶしていくかい?
わたしはゆった
へいき? 
おとうさんへいき?
しごと いそがしくないかい?
おとうさんがゆった
まさえよ きょうはやすみよ にちようび
まさえ わすれちゃこまるよ
ごめん おとうさん ごめん
おとうさんがわたしのことをおぶって
まちにかいものいきました
おとうさん
おにんぎょうかってくれて ありがとう
まさえよ
おとうさんが まさえのぼうし かってやるよ
かってくれた
おとうさんがいう
まさえよー こんどはどこいく?
いこうよ おとうさん
ゆきました
わたしはゆった
きょういちにち ありがとう
おとうさんがゆった
ありがとうっていわなくっていいよ
まさえのためにやっているからいいの

わたしがいちねんせいになるとき
おとうさんがしごとでやまへいって
いしをひろってた
そして うちへ まだよるになってもかえってこなかった
わたし おかあさんにきいた
まだかえってこないの? おそいなあ
あさになって
おかあさんにでんわあった
おかあさんがでんわとった
もしもし わたなべです と おかあちゃんがいいました
おじさんがゆった
よしこ
かずぞう まだうちにかえってこない?
おかあさん ゆった
まだかえってこない わたししんぱいだよ
おじさんがゆった
よしこ
やまでひとがしんでる
よしこ
おまえのだんな しごとはなにやってるの?
おかあさんがゆった
うちのおっとうは やまで きをきるしごとです
おじさんが
えー とゆった
おじさんがびっくりしてた
またおじさんがゆった
あのー あそこのやまで
ひとがしんでるよ
もしもおまえのだんなだったら どうするの? みにきてよ
おかあさんがやまにいって
かお みた
おかあさんがあおいかおになってた
うちのおとうさんだ
おかあさんがゆった
おかあさんがないてかえってきた
わたしゆった
なんでないてるの?
まさえのおとうさんがやまおっこって しんじゃった
わたしないちゃった
わたしはむこうにいって
おおきいこえでないてた
おにいちゃんとおじちゃんがいいました
まさえ あまりなくなよ
おとうさんがあのよへいけなくなっちゃうよ
まさえよ
おじちゃんがゆった
まさえよ おとうさんにあのよにいかせてくれよ
おにいちゃんがゆった
まさえよ おとうさんはまさえのことを
あのよでみてるよ
もう なかないでくれ
わたしゆった
おにいちゃん もうわかったよ
もうわたしなかないよ
おじちゃんがゆった
きっとあのよで まさえのことを みてるよ
                            (1993.10.14)

ここのびょういんのこ
                   渡辺 雅江
わたしおもった
まことくんのこと
まことが わたしに おはなしした
ぼく ほんとうはあるきたかったんだって
ぼくはようちえんにいきたかった
わたしないちゃったよ
わたしゆった
まこよ
こんどいちねんせいになったら がっこういけるよ
まこがゆった
おねえちゃん
ほんとにいけるの?
ほんとにいけるよ
まこちゃん
ごはんいっぱいたべて
がっこうにいこうね
まこちゃんにいいました
まこちゃんがきゅうに
びょうきになっちゃて
わたししんぱいだな
もしも びょうきがながかったら
わたしかなしいよ
それでわたしかんごふさんにきいた
まことのびょうきは なに?
かんごふさんがゆった
あのーまさえちゃん
まこちゃん
もう なおんないかもしれないよ
わたしあおくなった
そのよる
まこちゃんがきゅうにわるくなって
かんごふさんがきて
だれかきてーとゆった
はやくせんせいにゆって でんわかけて
せんせいきた
きたとき まこちゃんがかおいろわるかった
せんせいがゆった
もうはんぶんしんでるよ
まことくんは
みんなのこころのなかで
いきてます
                                  (1993.10.16)

あき
                   渡辺 雅江
あきの
いちょうのき
わたしがみた
きは わたしになにかゆっているみたい
わたしはきのところへいって
おはなしした
きは わたしにゆった
にんげんになればよかった
わたしがきにゆった
なんでにんげんになりたいの?
きがわたしにゆった
だって
にんげんて おはなしできる
おいしいごはんたべられる
いいようふくきられる
いいなあ
きがゆった
おれたちなんか みずでいきてる
きがいいました
わたしがゆった
にんげんって くるしいよ
きにゆった
くるしいよ
きは
おれなんか ただそとにたっているだけです
きはまたゆった
にんげんっていいな
こんどうまれてきたら
にんげんにうまれたい
                               (1993.10.21)

かんごふさん
                        渡辺 雅江
かんごふさん
えらいしごと おもいます
よるはねないで
みんなのことをみる
わたしは
えらいとおもった
こうたいで
みんなのことをみる
わたしはおもった
かんごふさんのしごと 
わたしはみて
きついしごとおもいます
わたしは こころから
かんしゃしてます
                         (1993.10.25)

むかしはにんげんはさるだったの
                              渡辺 雅江
にんげんってどうやってうまれてくるの?
あかちゃんのときは
おとこ おんな どっちかな わからない
だんだんおおきくなって わかる
はじめ あかちゃんのときは
かおはさるみたいかおしてうまれてきます
だんだんおおきくなって にんげんになってくる
わたしはわからない
どうして
あかちゃんのときとおおきくなったとき
なんでかおがちがうの?
わたしは おばあちゃんにきいてみた
むかしはにんげんは
もともとさるだったの
おばあちゃんゆった
なんでかなー
さるはしっぽある
にんげんはない
おばあちゃんにきいてみた
なんで にんげんはしっぽがないの さるはあって
まさえ
にんげんもほんとうはあるのよ
えー わたしびっくりした
ほんとー おばあちゃん
ほんとーよ
あのー おばあちゃん
にんげんってなぜようふくきるの? さるはきてないよ
まさえ あのー
さるはむかし
ほんとうはようふくきてたよ
うそだよ
わたしゆった
おばあちゃんがゆった
ほんとうよ
はじめてきいたよ おばあちゃんよ
わたしはにんげんのままで むかしもいまと おなじとおもってた おばあちゃんよ
おばあちゃんが
えー まさえちゃんしらないのー そんなことしらないのー
わたし がっこうへいってないもん
ああそうか
わたしまだ4つよ
がっこうへいってないよ
4つかまさえ
ごめんなさい
おばあちゃんがゆった
4つか
おばあちゃんよ わすれちゃやだよ
まごのとしを
と ゆった
                                (1993.10.25)
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